代表的な寒天の製法
寒天はどうやって作られるの?
寒天は、12月から翌年2月の厳寒期に製造されます。
1. 原料となる海藻の精製
テングサは、砂浜にひろげて時々淡水を注いで10日間程度太陽光を浴びせた薄黄色のさらしテングサを用いる。これを河川の水に浸して柔らかくしたものを水車でつき、貝殻、砂その他を取り除き、流水にさらし、塩分、色素を除く。
2. 配合
20%ないし40%の他の海藻を配合する。これはテングサが高価であり、またテングサのみでは固すぎるため。
3.煮熟
沸湯に原料海藻を投入し、粘質分を溶出させるために硫酸または酢酸少量を加え、約3時間煮沸し、火を弱め摂氏70度〜80度に保つ。通常は原料海藻12kg当たり水約4kl、硫酸30g(水で希釈)を用いる。
4.濾過
麻袋にいれ、緩く圧して濾液を取り、静置しうわずみを取る。絞り滓は2番煮をおこない、1番煮汁に混ぜ、あるいは新原料海藻の1番煮に用いる。
5.凝固
うわずみを容器に移し、放冷し、トコロテンに凝固させる。角寒天の場合、約4cm角柱に切り、細寒天の場合、トコロテン突きで5mm角の線状に突き出し、蓆の上に並べる。
6.凍結
凍結場は、周囲に高さ1間ほどの防風垣を立てめぐらせ、東西に杭(高さ50cmくらい)を打ち、横木を渡し、その上にトコロテンを並べた蓆を置き、寒い夜に凍結させる。角寒天は、2晩かけての凍結完了が最上とされる。酷寒のために1晩で急激な凍結が起こると、寒天質と氷とは別に分かれてしまい形質不良となる。温暖のために凍結に4〜5晩かかると腐敗にかたむき、発色してしまう。細寒天はこのような苦労が少ない。
7.融解
凍結したら翌朝、陽光に当て、氷を融かし水分を滴下させ、さらに数日間日乾しして完成。